...同時にまた眼がしらに涙を浮べて笑いころげさせる滑稽味が欠けている...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...なんとなく滑稽味(こっけいみ)を帯びて見える...
寺田寅彦 「柿の種」
...ことに下品(げぼん)の恋の句に一面滑稽味(こっけいみ)を帯びているのがある...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...今の子供らがおとぎ話の中の化け物に対する感じはほとんどただ空想的な滑稽味(こっけいみ)あるいは怪奇味だけであって...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...滑稽味のある彼は『菜園場の與八』とか『そそりの與八』(あわて者の方言)と呼ばれて人々に可愛がられた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...彼の目はさういふ点で人間の滑稽味を...
徳田秋聲 「亡鏡花君を語る」
...その強烈な滑稽味にはとても抵抗できなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...滑稽味が乏しいなんて言う人もありますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...たくまずして七分は滑稽味を漂わせている...
中里介山 「大菩薩峠」
...専ら歌詞の滑稽味やエロチシズムやで...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...ただ彼の晩年の短いいくつかの物語がもつすばらしい滑稽味をおびたユーモアだけだろう...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...何とも滑稽味の豊な人ではある...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...滑稽味の多分に含まれた騒動の話を三木は...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...それはすこぶる滑稽味を帯びてその着想が面白い...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...教師の動作から滑稽味を探し出すほうにあまり忙がしくて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...自由な寿詞(じゅし)に滑稽味(こっけいみ)を取り混ぜたりもして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宝生の下手が滑稽味に陥り易いのを見ても二流の主張の相違がわかる...
夢野久作 「能とは何か」
...少しは滑稽味もあるけれど...
蘭郁二郎 「地図にない島」
便利!手書き漢字入力検索