...私は又力の湧き立つ若干の日と夜とに...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...何んでもジャコビン黨員の胸には皆同じ色――若き生命の淺緑と湧き立つ春の泉の血の色との火が燃えて居て...
石川啄木 「雲は天才である」
...シャンパンの杯に湧き立つ泡のやうな感じがして...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...湧き立つ夜光虫の燐光...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...2.全ベルリンは飜り湧き立つ旗の海原であつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...その身辺からものすごい雲がむらむらと湧き立つように見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...下馬評で湧き立つ...
火野葦平 「花と龍」
...嫉(ねたみ)と邪(よこしま)とがむらむらと彼の心に湧き立つた...
平出修 「夜烏」
...今まで押へてゐた怒りが突然湧き立つて来て...
北條民雄 「道化芝居」
...渦巻が大きく湧き立つてゐる為めに...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...此処を先途と湧き立つた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...釣鐘型の横腹に拳骨大の風穴があいて無数の蜂が湧き立つてゐた...
牧野信一 「夜見の巻」
...そこらぢうから逞しく湧き立つ力の動きが感じられるのに...
水野葉舟 「かたくり」
...湧き立つたのである...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...湧き立つばかりの・力のあふれた・充実した・悠然たる・健康を...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...三方に映り合った花叢はむらむらと霞の湧き立つような花壇であった...
横光利一 「旅愁」
...そして船跡に湧き立つ水泡がとき/″\血の色を帶びた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...麗かな日ざしに照らされた海面からは靄とも霞ともつかぬものがいちめんに片靡きに湧き立つて...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索