...内より温める熱と自然に滲み出る汗と涙とがある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私のやうに酒の飮めない人間に取つては入浴と山登以外に體を温める方法はないのです...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...これは湯を沸かすにも部屋を温めるにも都合がよく...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...雌雄交互に卵を温める...
外村繁 「澪標」
...用の無い言葉の方はよりよく人の心を温めるものではないか...
豊島与志雄 「微笑」
...多くの物質は温める...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...夏でも時々は股火鉢で温める...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...繃帯は白い 小ぢんまりした丸顔でチョコンと坐つて居る丈夫なとき働いてゐるときすつかり忘れられて繃帯よお前は戸棚の隅に転げて居るああ しかし俺が傷つき痛んだとき繃帯よお前はぐるぐる伸びて疼く患部を優しく包み温める俺の唯一の保護者である繃帯の長さは誰でも計れるだらうだが俺は現在(いま)計れぬ深い繃帯の愛情を感謝してゐる 浸つてゐるこれは昭和九年の冬...
北條民雄 「癩院記録」
......
堀辰雄 「X氏の手帳」
...彼女の心を温める一人の兵士の俤(おもかげ)と一人の看護婦の思い出とがあった...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...こういう風にゼラチンで寄せたものは型から抜き出す時熱湯へちょいと漬けて型のブリキを温めてちょいと振って直ぐに抜くのだが長く温めると中の物が融ける...
村井弦斎 「食道楽」
...今申した品物の中でキャベツと人参と白瓜と胡瓜をこうする時にはソースで温める時にホンの少しの酢を落すとなお結構です...
村井弦斎 「食道楽」
...これは火鉢の中へ深い鍋が半分箝って底ばかりでなく腰の周囲(まわり)を尽く温めるようになるから火の利き方がよい...
村井弦斎 「食道楽」
...世を温めるべき器は...
柳宗悦 「工藝の道」
...家に集まって親子夫婦の情を温めると共に...
柳田国男 「年中行事覚書」
...酒を温める用途にもう少し早くから行われていたかも知れぬが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...痛風には患部を温めるのもいいが...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...彼等の最後の日光に身を温めるためであつた‥‥とき/″\祖母イヴォンヌは彼等を見るために戸口から頭を出した...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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