...三隅のおぬいさんの稽古を君に頼みたいからと書いてあったんだのに……それだから渡瀬君に渡してくれって頼んでおいたじゃないか」「君にとは俺にかい」園に顔を見つめられながら...
有島武郎 「星座」
...古原草遠藤清兵衞)に渡してくれと頼まれた禮の品は...
小穴隆一 「二つの繪」
...「あれは私の従兄(いとこ)なんですよ」S夫人は手に持っていたノートを私に渡しながら...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「妖影」
...これに板を渡して溝を越えて庭前に運び出す...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...一人の使がやってきて書簡(てがみ)を道士に渡した...
田中貢太郎 「賭博の負債」
...母は後の憂のないやうと窃に貯へて置いた手切の金を私に渡した...
長塚節 「隣室の客」
...フラフラと橋場の渡し舟に乘つて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...橋場の渡しを越えて向島を眞つ直ぐに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そしてそれにはその金は富豪の手からお妾へ直接手渡したいと附け加へさせた...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...渡し舟ン中から馬道師匠が上がってきてね...
正岡容 「小説 圓朝」
...おらあその子を抱いて渡り板を船まで渡してやっただ...
山本周五郎 「青べか物語」
...縁故者が情(じょう)にからんでかくまい立てすると同罪であるぞ」一枚の人相書を渡して...
吉川英治 「江戸三国志」
...平河口(ひらかわぐち)から宗門役人の手へさし渡しまするが...
吉川英治 「江戸三国志」
...かう書いて人に渡しておいたさうである...
吉川英治 「折々の記」
...懐(ふところ)から一通の手紙を出して重蔵に渡した...
吉川英治 「剣難女難」
...河水を汲んでは手渡しから手渡しに運び...
吉川英治 「三国志」
...これをお吉に渡して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...大きなぼた雪がさかんに降りかかる渡し船が岸をはなれて...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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