...中には階上から川底へ針金(はりがね)の架線(かせん)を渡し...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...君の輔佐役たちの名簿を僕に渡して貰いたい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...五フラン取り出して渡した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そのまま火鉢(ひばち)の向う側にいるお延の手に渡した...
夏目漱石 「明暗」
...来たら必ず渡してくれ...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...走り使いの男が彼にニュシンゲン夫人からの手紙を渡した...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...刑僧がヤットコを受刑者の一人に渡し...
久生十蘭 「新西遊記」
...お前に玄関の鍵を渡したのだね」「鍵なんぞ貰いません」真名古はキラリと眼を光らせ...
久生十蘭 「魔都」
...即ちこれに売り渡したる体(てい)に持て做(な)して...
福田英子 「妾の半生涯」
...そこで私はともかくも十圓札を一枚だけ渡して置いた...
堀辰雄 「旅の繪」
...物へ包んで供の人へ渡した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「使うようになるまで私が預かっとくよ」栄二は杖を与平に渡した...
山本周五郎 「さぶ」
...そうして自身は制服のままお台場の突角(とっかく)に立って海上を見渡していると...
夢野久作 「近世快人伝」
...委細はこの手紙に書いておくからという事で……」古木学士は白い治療着のポケツから白い横封筒を取出して私に渡した...
夢野久作 「冥土行進曲」
...君公からお申し渡しのこと...
吉川英治 「新書太閤記」
...川原の渡し口に待っている弥兵衛のそばへ連れて来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...播州(ばんしゅう)の加古川(かこがわ)で渡し守をしているということが世間の笑い話になってから「加古川の教信沙弥(しゃみ)」といえば堕落僧(だらくそう)の代名詞のようになって落首(らくしゅ)や俗謡(ぞくよう)にまでうたわれたものだった...
吉川英治 「親鸞」
...酌(つ)ごうか、一ツ」「ウム」お十夜は不承不承に杯を出したが、幇間(ほうかん)のように屈してくる周馬を見ると、それ以上怒れもせず、「おれや、奥歯に物の挟まったような話は、大嫌いだからな」と、熱いのをグッと乾(ほ)して、周馬へ渡した...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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