...琥珀(こはく)色に寄せつ返しつ波打つてゐたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...琥珀色に寄せつ返しつ波打つてゐたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...心臓の波打つ呼吸(いき)だぜ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...その海の水は根を波打つてゐるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...いつ頃から疊替をせぬのか波打つたやうになつて居る上に處々破れたのが反古で張つてあつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...私の心は其海と其山とに向つて烈しく波打つた...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...其事件や苦痛に對して旅行者の心理の働きが波打てば波打つ程そこに分量も意味も値打も生じて來るのぢやないか...
長塚節 「教師」
...緩やかに波打つ山の姿に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...幽かに波打つ胸を...
南部修太郎 「疑惑」
...黒のモオニングを着た先生の背中は幽かに波打つてゐた...
南部修太郎 「猫又先生」
...なにかやはりただならぬ気鬱が波打つてゐる...
原民喜 「画集」
......
夢野久作 「髪切虫」
...涯(はて)しもない湿地の上に波打つ茫々(ぼうぼう)たる大草原の左手には...
夢野久作 「死後の恋」
...波打つもののすべては...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...少し青ざめた顳(こめかみ)のあたりに薄く浮き上っている真紀子の静脈の波打つのを矢代はちらりと眺め...
横光利一 「旅愁」
...その下に波打つ幾線の鉄の縄が世界の隅隅(すみずみ)までを繋(つな)ぎ合せ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...それが狂ふやうに躍るのではなく、今にも血を吐きはしまいかと思はれるやうに心臟が鼓動するのではなく、脈搏は大樣に、力強く波打つて、身體全體がほてつて來る...
吉江喬松 「霧の旅」
...家々の壁に沿つて風に波打つてゐた花を刺した白幕...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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