...早口の江戸っ子弁でぺらぺら話しかけられてはたまらない...
太宰治 「惜別」
...かねてから実は内心あこがれていないわけでもなかったところの江戸っ子弁という奴(やつ)をはばからず自由に試みられる恰好(かっこう)の相手が見つかって有頂天になっていたので...
太宰治 「惜別」
...一目みて、江戸っ子と分る、垢(あか)ぬけした化粧に歯ぎれのよい口調...
田中英光 「野狐」
...江戸っ子の面よごしめ!神尾主膳は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「君は一体どこの産だ」「おれは江戸(えど)っ子だ」「うん、江戸っ子か、道理で負け惜しみが強いと思った」「きみはどこだ」「僕は会津(あいづ)だ」「会津っぽか、強情な訳だ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...あいつは江戸っ子でさあ...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...「言いましたとも、憚(はばか)りながら小判形の八五郎、金や命に糸目は付けねえ」「糸目を付けたくも、金なんか持っちゃいめえ」「図星ッ、親分の眼鏡は曇らねえな」「幸い命だけは一つ持っているだろう、そいつをちょいと貸してくれ」「お安い御用だ、他所(よそ)行きのですか、それとも平常(ふだん)使いのですか」「馬鹿だな、お前は」すべてこういった調子ですが、昔の江戸っ子は、こうした警句のために、自分の命ぐらいは何とも思わずに賭けました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸っ子で貧乏で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この顔を知らないものは江戸っ子のもぐりみたいなものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蚊帳(かや)と線香と桑原(くわばら)の呪文(じゅもん)で表象される迷信的な江戸っ子が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火事と聴くと江戸っ子は気が早えや...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――それでも江戸っ子? ――私は要さんをそんな意気地の無い男とは思わなかった……」火を吐くような言葉を...
野村胡堂 「礫心中」
...江戸っ子のおやっちゃんは浴衣がすきだ――ともいえなかったが――そういったも無理がないと思ったのは...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...妙なところへ東洋風の豪傑と江戸っ子の負け惜しみをもつ父は...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...鰹や鮪なんていう江戸っ子の食いものは...
古川緑波 「食べたり君よ」
...「江戸っ子部隊」をきく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私たち旧東京下町人――つまり江戸っ子の家庭にはなかった...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...「わいら、江戸っ子の、関東武士のと、ふだん大口たたきおるくせに、その態(ざま)、なんじゃ」「この、生まれ損ない」「死に損ないめが」無数の土足が、露八の体を、もう痛いとも痒(かゆ)いとも感じないほど弄(もてあそ)んだ...
吉川英治 「松のや露八」
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