...気紛れでなしに本式に土地の耕作をする必要が起るとともに...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...人間の採集がほんの気紛れからで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...桜の木に棲んで、その葉を餌とし、おまけにその枯つ葉を縫ひ綴くつて、一冬の寒さ凌ぎの料とすることをのみ知つてゐる簑虫にとつては、気紛れで、ひと一倍感じやすい桜の葉は、自分の一生を託するにしては、信頼の出来かねる相手に相違ない...
薄田泣菫 「独楽園」
...その結果明かになったことは、大体に於いてあの人はああ云う風な洒脱(しゃだつ)な紳士型であるけれども、あれで案外気分屋で、時に依(よ)っては機嫌(きげん)の悪いこともあること、子爵家にはあの人の腹違いの兄に当る、嫡男(ちゃくなん)の正広と云う人があるが、その人とは分けても仲が悪くて、よく喧嘩(けんか)をすること、光代自身は見ていないが、激して来ると兄貴を殴ったりもしかねないと云う話であること、多少酒の上が悪い方で、酔うと随分乱暴をしたものであること、但(ただ)し近来は流石(さすが)に年を取って来たので、泥酔する程飲むようなことはめったになく、従って乱暴もしなくなったこと、尤(もっと)もあの人は亜米利加(アメリカ)仕込みであるから、レディーに対しては礼儀に厚い方で、昔からどんなに酔っ払っても婦人に手を上げたりしたことはないので、その点は安心であること、等々であるが、なお一つ二つあの人の欠点を云えば、何事にも理解が早くて趣味が広い代りに、気紛れで、一つ事に熱中する根気がないこと、人を御馳走(ごちそう)したり、世話したりすることが大好きで、金を散ずることは上手であるが、作ることは下手であること、等々であると、光代は貞之助が尋ねないこと迄も、進んで答えたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...気紛れな彼女が何処へ何うそれて行つたか...
徳田秋聲 「二つの失敗」
...太鼓の音は如何にも気紛れなものに思えた...
豊島与志雄 「春盲」
...気紛れなものに思えるのだ...
豊島与志雄 「春盲」
...お母さんの気紛れなんかいい加減に聞き流しておく方がいいよ...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...語の気紛れな使用こそ...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...この気紛れな衝動のおかげであった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...随分気紛れなものじゃ...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...気紛れな柏の事だから...
松本泰 「日蔭の街」
...世間の嗜好の気紛れから特殊の工業がいかに倒れる危険があるものかは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...人間の嗜好が気紛れなことや...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...流行の気紛れによる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...自分を戦いに・あるいは骰(さい)の気紛れに・あるいはその他成り行き結果の不明で疑わしい事柄に・委ね給え...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その雲の尖端(さき)を気紛れな太陽が少し染めると...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...それは流行や偏見や気紛れの影響を蒙らない...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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