...他へ往っている気づかいはないのであった...
田中貢太郎 「馬の顔」
...籠(かご)に飼われた小鳥と同じく容易に逃げていなくなる気づかいはないと思っていたのは...
近松秋江 「狂乱」
...あたかも吾輩の水彩画に於けるがごときもので到底卒業する気づかいはない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...――親分はお一人だそうだから何処からも尻の来る気づかいは無いんでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...米味噌の気づかい...
林芙美子 「新版 放浪記」
...一家の生活を保とうとして船に乗る気づかいはなかった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...いくら掘ったってお米の死骸が出てくる気づかいはねえ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...もうあまりにも長くこの美しい少年のあとをつけていはしないか、と急に心配になり、かれがさとりはしないが、いぶかしさにふり返りはしないか、と気づかい、もう一度身がまえ、力がぬけ、あきらめ、そうしてうつむいたまま通り越してしまった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...潰れる気づかいはないもんだよ...
夢野久作 「近世快人伝」
...遺骨を受取りに来る気づかいのない種類のものである事が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何も気づかいは要らないぜ』『でも...
吉川英治 「魚紋」
...亮……察してくれよ」「お気づかいには及びません...
吉川英治 「三国志」
...お気づかいなく、仰せ出しくだされたい」「うれしく思います」こころもち頭を下げて、「みかどにおかれても、道誉が供奉(ぐぶ)の内におるは、憂いの中ながら、唯一の心頼みじゃと、仰せられておられまする」それは廉子も思うことらしかった...
吉川英治 「私本太平記」
...気づかいせずと走れ』『江戸の伝馬問屋を立ったのが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...老人の足もとを気づかいながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...転ぶ気づかいはありませぬ」「といって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お気づかいたまわるな...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...嫌という気づかいはないのだと...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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