...幼い間に広大な地域の植物を剥ぎとつてしまふ程速く殖える...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...かような人が殖えると実際に革命が行なわれるに至る...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...つい自宅(うち)の患者までが殖えるやうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...其上に厭や/\乍ら其釣錢を投げ込むと急に光るものゝ數が殖える...
高濱虚子 「俳諧師」
...リリーのために出銭(でせん)が殖えると云うことは...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...殖えるものは、父を異にした子ばかりであった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...更に更に殖えるもよかろう...
豊島与志雄 「画舫」
...子供が殖えると困るから...
直木三十五 「南国太平記」
...私も其時どういふものか私の家に女が一人殖えるといふことが決して悪い心持はしなかつた...
長塚節 「隣室の客」
...その頃は事務にも慣れるし、信用も厚くなるし、交際も殖えるし、勉強をする暇が自然となくなって、又勉強が却(かえ)って実務の妨(さまたげ)をする様に感ぜられて来た...
夏目漱石 「それから」
...出産率が殖えると死亡率も増すという統計上の議論を...
夏目漱石 「道草」
...停車場ごとに殖える一方だつた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...数が殖えることにも大いに意味はあるのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...進藤も石が一つ殖える度毎(ごと)に嬉しそうに眼を細くしてニコニコして見せるので...
夢野久作 「近世快人伝」
...『これでまたガオの奴等が一層殖えるといふものでさあ...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...なお殖えるような勢いにある)と聞くと...
吉川英治 「親鸞」
...その慚愧(ざんき)をなぜ有為な身に、すぐれた腕に、鞭(むち)とせぬか」「立ち直って、身を固めたいと念じながら、持ったが病(やまい)、自暴(やけ)から自暴へ、持ちくずした身の傷は、癒(なお)るどころか、殖えるばかりで、今後のことも今となって、その冷(ひや)っこい川風の中で考えてみると……」「それや、無理もない...
吉川英治 「無宿人国記」
...中の嶋あたりに高層建築が殖えれば殖えるほど...
和辻哲郎 「城」
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