...青葉の匂や苔の匂のして来るような植え込みの蔭に設けてあり...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...植え込みの向うを玄関の方へ歩いて行くのがちらと見えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一方の縁側の外にはこんもりとした植え込みがあって...
谷崎潤一郎 「秘密」
...そしてちょっと鋏に触れるとそれで満足したようにのそのそ向こうへ行って植え込みの八つ手の下で蝶(ちょう)をねらったり...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...左千夫(さちお)氏が連作の趣味を形容して「植え込み的趣味」と言っているのはなかなかおもしろいと思われる...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...植え込みから植込みを昆虫のように這(は)って縫いながら...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...その植え込みの中に大きなハマユウがあったことを今も記憶している...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...庭の植え込みなどもよくできていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ちょうど霜枯れ時の庭の植え込みが描(か)いた絵のようによくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...前の庭の植え込みの中に何木となく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏は枯れた植え込みの草の中に竜胆(りんどう)や撫子(なでしこ)の咲いているのを見て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの中にはあらゆる秋の虫が集まって鳴いているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...秋の雨が静かに降って植え込みの草の花の濡(ぬ)れ乱れた庭をながめて女院のことがまた悲しく思い出された源氏は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの灌木(かんぼく)類の押しつけられた形だけが哀れに見え...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの花草が虫の音に満ちた野のように乱れた夕明りのもとの夜を大将はながめていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...向こう側の北の中庭の植え込みの花がいろいろに咲き乱れた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...前の植え込みの灌木(かんぼく)や草も上手(じょうず)に作られてあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みなぞいう舞台の仕掛けものや...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
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