...苦い顏をして階段を上つて、懷手をした儘耳を欹てて見たが、森閑として居る...
石川啄木 「病院の窓」
...物言はぬ人のみ住んでゐるかとばかり森閑としてゐる秋の真昼の山村の空気を揺がして...
石川啄木 「道」
...彼の周囲は驚嘆の余り森閑となって行きました...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...公園の入口にはダリアが美しく咲いて森閑とした園内を園丁が掃除していた...
寺田寅彦 「札幌まで」
...(五月×日)なまぐさい風が吹く緑が萌え立つ夜明のしらしらとした往来が石油色に光っている森閑とした五月の朝...
林芙美子 「新版 放浪記」
...上ではなお依然として森閑としていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...森閑として物音もない...
久生十蘭 「奥の海」
...邸の内部には人の気配もなく森閑としずまりかえっている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...あたりが急に森閑として...
久生十蘭 「予言」
...あたりは森閑としている...
火野葦平 「花と龍」
...小屋は森閑と静まり返っていた...
松濤明 「春の遠山入り」
...その森閑とした大気のどこかしらから人声がきこえて来た...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第七巻)」
...あまりに雪が深いので外の正月も森閑として...
柳田国男 「雪国の春」
...あの辺は知っての通り森閑と静まり返っておるのに...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...どの室(へや)も森閑と静まり返っている...
夢野久作 「暗黒公使」
...森閑としたホールの白いテープの波の中を...
横光利一 「上海」
...それにあたりは森閑として何の物音一つ聞えず...
横光利一 「馬車」
...人聲もずぼずぼと沈んだやうに森閑となつてしまつた...
横光利一 「榛名」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??