...及び夷蛮(いばん)より出づる所の異物奇品棟宇(とうう)に充積す」と言つたのも必しも誇張ではなかつたであらう...
芥川龍之介 「僻見」
...透(すか)して見ると、灰色の浪を、斜めに森の間(なか)にかけたような、棟の下に、薄暗い窓の数、厳穴(いわあな)の趣して、三人五人、小さくあちこちに人の形...
泉鏡花 「悪獣篇」
...官立寄宿学校のひと棟(むね)になつてゐる少年寮では...
犬養健 「朧夜」
...小さい一棟の二階建の家が広い敷地の中にぽつんと立っているばかりであったが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...三棟四棟の崩れかかった土蔵も...
橘外男 「仁王門」
...お城大工棟梁泉田筑後は...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...棟梁(とうりょう)のところのお留(とめ)坊などはどんなもので――」ガラッ八は言い切ってしまって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...多寡(たくわ)が棟割(むねわり)長屋だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...棟梁」平次はさり氣なく訊きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今夜もまた彼は病棟の裏の孟宗藪の中に立つて呆然と碧白い空間を眺めてゐることであらう...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...棟梁も立って、そして、四五間はなれて歩いていた...
本庄陸男 「石狩川」
...棟梁がうおーと答えた...
本庄陸男 「石狩川」
...今朝見れば夕べの風で棟が禿げ大事のイチハツどこへ風が飛ばしたか...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...諸生組の頭棟朝比奈...
三好十郎 「斬られの仙太」
...喜助棟梁が目えさましたら食わしてやれ...
三好十郎 「樹氷」
...若棟梁を頼むぞ」と大六が穏やかに云った...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...やむなく大工(だいく)棟梁(とうりょう)の馬を曳いたという故事は聞いていたが...
吉川英治 「私本太平記」
...屋の棟の大雪を思いながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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