...冬空に大樹の梢(こずえ)朽ちてなし香煙にくすぶつてゐる冬日かな一月二十五日 玉藻句会...
高浜虚子 「六百句」
...クリティシズムのそういう否定機能の市井に於けるごく末梢的な形なのだ...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...庭の木々の梢に、あちらこちらに、美事な大きな巣が張られていて、その真中に女郎蜘蛛が一匹ずつ、逆さにじっと構えこんで、背と腹の金筋を朝日に輝かしているのである...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...木立の梢(こずえ)と屋根の煙筒しか見えないことをよく知っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...満月が無名樹のまばらな梢にかかって湖畔の岡の裾に霧が幔幕(まんまく)のようにひいている...
中勘助 「島守」
...欅(けやき)の梢(こずゑ)は...
長塚節 「土」
...湯壺にかざす緑樹の梢と重なり合って...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...高い高い梢を見上げた...
原民喜 「飢ゑ」
...梢をゆする秋風の外に...
樋口一葉 「琴の音」
...或日庭先から梢をすかして魚見櫓の姿を描いてゐた時...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...*榎の梢に霰のやうに飛んでゐた玉虫! あそこでは光りに沾れた青葉の上に...
牧野信一 「冬日抄」
...鴉(からす)の鳴き声が梢越しに聞こえて来る...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...そのうちに頭の上の高い高いポプラの梢から黄色い枯れ葉が引っきりなしに落ちて来た...
夢野久作 「暗黒公使」
...鶏血(けいけつ)の秋花梨(かりん)の梢(こずえ)に白い花がうごく...
吉川英治 「江戸三国志」
...葉の落ちている冬木の梢(こずえ)にも一つぶの星さえ見えないほどな暗い谷間...
吉川英治 「江戸三国志」
...もう梢(こずえ)には初蝉(はつぜみ)が聞える...
吉川英治 「私本太平記」
...そして絶えず、死への誘惑に迷っている影が、朝麿にも、梢にも、見えるのだった...
吉川英治 「親鸞」
...高い梢から地上へ来るまでの途中で霧になってしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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