...寂しい春の松の内を甚(はなはだ)だらしなく消光してゐた...
芥川龍之介 「東京小品」
...正月の松の内など...
上村松園 「わが母を語る」
...松の内といつても...
薄田泣菫 「中宮寺の春」
...元日 門松 萬歳 カルタ 松の内 紅梅 春雨 彼岸 春の山 猫の恋時鳥(ほととぎす)牡丹(ぼたん)清水 五月雨 富士詣(もうで)七夕 秋風 目白椎(しい)の実 秋の暮時雨(しぐれ)掛乞(かけごい)牡蠣(かき)枯尾花 鐘冴(さ)ゆるこう言ってもまだ諸君は...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...松の内は瀬戸内海に浮ぶわけであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...「それでも、初春の松の内を、血でお穢しなさるのはよろしくないと思いますが」「そうか、さらば十五日過ぎてからにする」そう云うかと思うと主膳は小柄(こづか)を脱(ぬ)いて起ちあがり、いきなりお菊の右の手首を掴んで縁側に出て、その手を縁側に押しつけて中指を斬り落した...
田中貢太郎 「皿屋敷」
...松の内が過ぎてからであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...松の内から藥箱を持込まれて以ての外の機嫌だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御免蒙(かうむ)るよ」「殺しですよ、親分」「へエ、松の内から、氣の短い奴があるぢやないか」「殺されたのは、新堀の廻船問屋、三文字屋の大旦那久兵衞さんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...松の内に、黒石家では、金五郎を養子に迎えるめでたい式が、一種、狂気じみた盛大さで、もよおされた...
火野葦平 「花と龍」
...「新婚」松の内済んで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その他「松の内のんこれ双六」という流行歌を入れた双六などがある...
山本笑月 「明治世相百話」
...ミイラよミイラの王様お眼ざめだ赤い青いおべべ着て黒いあたまをふり立ててはねたり飛んだりまわったり五ついつまでいつまでもむかしのまんまのひとおどりなんでもかんでも無我夢中やめずにとめずに九(ここの)とうとうとう日が暮れ夜が明けていつまで経(た)っても松の内花子さんも羽子板の姉さんも夢中になって見ておりますと...
夢野久作 「黒い頭」
...まだ松の内なので...
吉川英治 「新書太閤記」
...松の内もはや過ぎようとする...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのため、孤立の苦境に落ち入った家康の複雑なる心中の煩忙(はんぼう)と、小牧の後始末と、次に――秀吉対家康の和睦に移って、大坂へ人質を送るやら、家中の諸将の不平と憤懣(ふんまん)をなだめるやら、ここ十一月から十二月の初めにかけて、浜松の内外は、まったく、暗い冬を迎えていたところだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...松の内の夕暮は、道行く人も店飾りもことのほか美しい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...松の内らしい鼓(つづみ)の音や...
吉川英治 「柳生月影抄」
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