...彼は倉皇として冥府に旅立つていつた...
心猿 「露伴忌」
...宗吾郎が、いよいよ直訴(じきそ)を決意して、雪の日に旅立つ...
太宰治 「父」
...あちこち歩いた線・はつきり見えて炎天の飛行機がまうへ・こんなに出来てくれて青紫蘇や青唐辛・つくつくぼうしあすから旅立つ私で・糸瓜ぶらりと地べたへとゞいた・かなかなのほそみちおりるはをとこにをなご・雑草ふかくほうづきのうれてゐる夕風・更けて戻れば風鈴は鳴つてゐるよい月夜...
種田山頭火 「行乞記」
...・遠山の雪のひかるや旅立つとする・影も春めいた草鞋をはきかへる・春がきてゐる土を掘る墓穴これだけの質草はあつてうどんと酒・みちはいつしか咲いてゐるものがちらほら三月九日春光うらゝかなり...
種田山頭火 「其中日記」
...旅立つ前の用意として...
種田山頭火 「其中日記」
...やうやく旅立つことが出来た(旅費を送つて下さつた澄太緑平の二君にこゝで改めてお礼を申上げる)...
種田山頭火 「旅日記」
...・朝のひかりへ播いてをいて旅立つ(アメリカポピー会同人に)・食べるもの食べつくしたる旅に出る(自分自身に!)再録・春風のどこでも死ねるからだであるく(これも自嘲の一句)述懐...
種田山頭火 「道中記」
...自分が旅立つ前に期待してゐた南方の至福とは...
中島敦 「環礁」
...弟は既に旅立つてゐる...
中原中也 「亡弟」
...九州へ旅立つ前日...
野上豐一郎 「「草衣集」はしがき」
...牧田氏が急に旅立つたので...
林芙美子 「浮雲」
...登美子は母と二人で上海へ旅立つ事になつた...
林芙美子 「婚期」
...沈黙の国に旅立つ前に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...雪の頃旅立つ人を送りては...
正岡子規 「曙覧の歌」
...旅立つのはだれだとたずねると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...未知の世界へ希望を懐(いだ)いて旅立つた昔に比べて寂しく又早く思はれた航海中...
森鴎外 「妄想」
...鏡子は榮子が預けてあつた里の家から帰つて来て半月(はんげつ)程で旅立つたのであるから...
與謝野晶子 「帰つてから」
...孔家では旅立つ二人のために...
吉川英治 「新・水滸伝」
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