...膝に握り拳をつきたてて肩を張ったり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...五人が一とかたまりになって駈け足の練習でもしているように握り拳(こぶし)を両腋(わき)に附けながら走って通った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...小夜子は握り拳(こぶし)で紫檀(したん)の卓を叩(たた)きながら...
徳田秋声 「仮装人物」
...小さな握り拳で叩いていました...
豊島与志雄 「古木」
...握り拳で額をとんとんと叩いた...
豊島与志雄 「自由人」
...手指や握り拳が、体のわりに目立って大きい...
豊島与志雄 「自由人」
...」張一滄は握り拳で机を叩いて...
豊島与志雄 「立札」
...」馬方は握り拳をかためて...
豊島与志雄 「竜宮」
...私は半廻転して床と床のあいだのへんに下をむいたまま両方に握り拳(こぶし)をこしらえて上体を支えている...
中勘助 「胆石」
...握り拳の花見なんかは腹を立てて帰るだけだから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...袴の膝に握り拳を置いてゆったりと床柱に凭れている...
久生十蘭 「魔都」
...夫のカルデラは握り拳(こぶし)をつくって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...恰度握り拳(こぶし)大の力瘤がむつくりと盛りあがつてゐるではないか! あの事件では彼等も余程亢奮したと見へ...
牧野信一 「バラルダ物語」
...蜀山人(しょくさんじん)の狂歌に「さ蕨が握り拳(こぶし)をふり上げて山の横つら春風ぞふく」...
南方熊楠 「十二支考」
...一本も出さずに握り拳で出すことを...
柳田国男 「こども風土記」
...両方の握り拳(こぶし)をつきだし...
山本周五郎 「山彦乙女」
...私達の握り拳(こぶし)二つがけ位の穴を地べたで見つけて...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...なかば狂気した二官の骨ばッた握り拳(こぶし)で打たれては...
吉川英治 「江戸三国志」
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