...この橋はやや高いから、船に乗った心地(ここち)して、まず意(こころ)を安んじたが、振り返ると、もうこれも袂(たもと)まで潮(しお)が来て、海月はひたひたと詰め寄せた...
泉鏡花 「海の使者」
...我ながら沁みじみ振り返る心持になつた...
犬養健 「愚かな父」
...いつ一番鶏二番鶏が啼いたのであろう」私は画室の障子がだんだん白みを加えてゆくのを眺めながら昨夜の夢中な仕事を振り返るのであった...
上村松園 「健康と仕事」
...門を出しなに振り返ると...
鈴木三重吉 「千鳥」
...で、娘も振り返る...
田山花袋 「少女病」
...私が振り返ると、犯人が卓上に投げていった、くちゃくちゃの紙切れが目に入る...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...どうにでもなれという風に振り返る...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...ほっと後ろを振り返ると...
豊島与志雄 「月明」
...振り返ると、あの無残な無頼漢(ならずもの)が、ハンティングをかなぐり捨てて、父娘相争う不思議な情景をじっと見詰めて居ります...
野村胡堂 「悪人の娘」
...「なんだと?」振り返るとそこに立っているのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...振り返ると小さい妹――痣(あざ)のあるお雪が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...奧方の方を振り返るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう一度振り返ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...驚いて振り返るか聲を立てる筈で」「さう言つたものかな」いかにも智慧の廻りさうな習之進ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は急に振り返ると...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...何事ぞと振り返るに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何ぞはからん振り返ると...
吉川英治 「三国志」
...あるいはロトの妻も振り返る動作にこれ程の犠牲を払いはしなかった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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