...しかし父はその持ち前の熱心と粘り気とを武器にしてひた押しに押して行った...
有島武郎 「親子」
...そして一つ警察をへこましてゆくたびに彼は持ち前の増長をそこに持ってゆきました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...」「貧乏はおれの持ち前だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...持ち前の性分の爲めにまた失敗したことがあるさうだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...技術と持ち前の性格もあってか...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...持ち前の鋭い頭脳を敏捷(びんしょう)に働かせて...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...この人は持ち前の細かい味覚で嚼みわけたいろんな肴の味を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...目立つ人間と目立たない人間とそれぞれの持ち前に従って本分を尽しているのだ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...ほとんど持ち前の暢気(のんき)をさらけ出して眼をつむってとりとめのないことを考えてみたり...
田中貢太郎 「岐阜提燈」
...女房を持ちそこねたという第一の不運は、残された子供をすててしまったという第二の不運となり、その不運と不幸をなぐさめるために、持ち前の早足で、諸方へあそびに出てみたのが、第三の横道を教えてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...もしこの時廊下側の座席から久慈恵介が持ち前の金切声をふり絞って...
本庄陸男 「白い壁」
...持ち前の歌い調子で広重描く江戸百景をさながらに美しくマザマザと見せてくれた...
正岡容 「寄席」
...その感じが持ち前の甘い悲痛で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...持ち前の美しい眼に樣々な微笑をつやつやしく泛ばせながら...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...物事は当って砕けろだ」持ち前の度胸をすえて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...持ち前の大声(たいせい)をあげ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...将門時代から持ち前のものであったらしい...
吉川英治 「平の将門」
...臆病な持ち前はすぐ体に出してしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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