...あたゝかい晩には火の番の拍子木の音があまり聞えないから妙だ...
石川欣一 「山を思う」
...第二六項 狐狸の拍子木余がむかし越後(えちご)にいて...
井上円了 「おばけの正体」
...その爺さんの家(うち)に秘蔵の拍子木がある...
薄田泣菫 「茶話」
...貴方(あん)さん許(とこ)やと拍子木にも値打が出ますやろからな...
薄田泣菫 「茶話」
...……(伯父を抱く)ほっと息がつけるんだわ!夜番の拍子木(ひょうしぎ)の音...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...その時まで一年ほどわれは既に人にも語りし如く桜痴居士の門弟となり歌舞伎座にて拍子木打ちてゐたりしが...
永井荷風 「書かでもの記」
...あれア(まは)りの拍子木(ひやうしぎ)と云(い)つて道具立(だうぐだて)の出来上(できあが)ツたつて事を...
永井荷風 「すみだ川」
...拍子木(ひやうしぎ)がチヨン/\と二(ふた)ツ鳴つた...
永井荷風 「すみだ川」
...再び軽い拍子木の音を合図に...
永井荷風 「すみだ川」
...道行く人の下駄(げた)の音夜廻りの拍子木犬の遠吠(とおぼえ)また夜蕎麦売(よそばうり)の呼声にも俄(にわか)に物の哀れの誘われる折から...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...舞台の上では敵味方にわかれていた富樫の部下を初め、拍子木叩きや、楽屋番の連中まで、一時は呆気(あっけ)に取られたが、矛(ほこ)を取り直して、この意外な狼藉者(ろうぜきもの)を取押えて、弁慶を救い出そうという途端、仏頂寺弥助が眼を怒らして、「言って聞かせるから、静まれ!」と大喝(だいかつ)しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...小鳥の声が拍子木のやうに...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...それが丁度子刻(こゝのつ)(十二時)――火の番の二度目の拍子木(ひやうしぎ)が鳴つて通ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――酉刻半(むつはん)(七時)の火の番の拍子木(ひょうしぎ)が通ったすぐ後だったと思います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私といっしょに拍子木を叩いて町内を廻りましょうや...
水上滝太郎 「遺産」
...走り出し、舞台の隅へ坐って平土間の客に向い、拍子木叩いて、T「東西――東西――」「ベラベラベラ」何だか喋言り出す...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...今対岸葛西の村を廻る火の番の拍子木が冴えて聞えて来る...
山本周五郎 「青べか日記」
...拍子木(ひょうしぎ)と...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??