...これ淺野セメント會社の烟突より出づる石灰抹の飛散せるなり...
大町桂月 「鹿野山」
...丁抹(デンマーク)では...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...なんとなく一抹(いちまつ)の幽気も感ぜられるのであったが...
橘外男 「逗子物語」
...彼女の記憶もきれいに抹殺されている...
田中英光 「さようなら」
...というより丁抹(デンマーク)の全生活をはっきりと見るような気がする...
谷譲次 「踊る地平線」
...如何なる場合にも寸毫(すんごう)も余の粉飾(ふんしょく)塗抹(とまつ)を加えなかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...仰いでその頂を見ると一抹の烟が空に漂っている...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...さり気ないうちに漂う一抹の怪奇さがあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...芸術から詩を抹殺(まっさつ)し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...季節と云ふ厭な聯想を抹殺するために朝子は掌にしてゐる雑巾で蟻を潰した...
原民喜 「針」
...一抹の揺ぎもなく...
牧野信一 「珠玉の如き」
...K叔母は寧ろ吾が心を苛立たしめて(以下五行抹殺……筆者)一家の団欒を希ふはもとよりなり...
牧野信一 「病状」
......
牧野富太郎 「植物一日一題」
...他の一本は此年月日を書してこれを抹殺(まつさつ)し...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...後の版においてもその項を抹殺しなかったばかりでなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...海は藍碧を湛えてかすかに傾き微風にも動かぬ一抹の雲の軽やかさ...
横光利一 「旅愁」
...史上からこの事實を抹殺することは私には到底駄目なんであります...
吉川英治 「折々の記」
...ただ一抹(まつ)のさびしさは...
吉川英治 「三国志」
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