...折悪しくそこに侍女や侍僕の姿の見えないのに安心して...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...「そう……」と折悪しくイン・イーヌィチが呟きだした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...その瓶は折悪しく階下の実験室においてありましたので...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...折悪しく滝川教授は放蕩もして呉れなければ喧嘩もしない...
戸坂潤 「社会時評」
...折悪しくも暴風雨のため遭難した...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...いつでも折悪しく用事があって――どうも...
夏目漱石 「野分」
...折悪しく鍋銭はありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...折悪しく目を覚して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...折悪しく取次をすべき青侍がみな他行中であったので...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...ちょうど折悪しくその時刻にもう一つの出来事が京橋の事務所で起ったのだ...
平林初之輔 「犠牲者」
...折悪しく急ぎの使が来てしまったものだから――」と書いてあるぎりだった...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...折悪しくホテルは満員である...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...折悪しくその第七番目の鰐口(わにぐち)に刺さっていた鉄棒(ピン)が...
夢野久作 「斜坑」
...その夜も、折悪しく、彼女の良人は夜更けてから、微酔をおびて帰って来た...
吉川英治 「三国志」
...ちょっと探させてもらうのじゃ」「折悪しゅう...
吉川英治 「親鸞」
...それと折悪しく宵にここへ来あわせた俵一八郎と万吉の話し声...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...またたくうちに、彼の駒は、三宅坂の松平信明(まつだいらのぶあき)の屋敷を訪れたが、折悪しく、信明はその前夜、代々木の別業(しもやしき)へ移って静養中ということなので、すぐ引っ返して、そこからほど近い麹町の方へ馬を飛ばした...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...今折悪しく仙台の方へ行っている事などを...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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