...渠(かれ)らは折に触れて相集っていわゆる詩酒徴逐の風流に遊んだが...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...折に触れては胎児のことを思い出して涙ぐむのが癖になっていて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...春琴の死後佐助がてる女を唯一(ゆいいつ)の話相手とし折に触れては亡(な)き師匠の思い出に耽(ふけ)ったのもそんな関係があるからである後年彼は検校となり今は誰(だれ)にも憚(はば)からずお師匠様と呼ばれ琴台先生と云われる身になったがてる女からは佐助さんと呼ばれるのを喜び敬称を用いるのを許さなかったかつててる女に語って云うのに...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...折に触れては、その身自由さを利用しておりました...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...他の章の折に触れて見て行こう...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...折に触れては航海話をして聞かせているうち...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして出来たら専門以外の本も読むことを折に触れて注意されてあってのことである...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...鼻の頭(さき)で待遇(あしらっ)て折に触れては気に障る事を言うか...
二葉亭四迷 「浮雲」
...――成瀬は折に触れてふと自殺が頭をかすめるやうになつた...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...新吉達は折に触れては通ひ慣れてゐたが...
牧野信一 「淡雪」
...此方こそかうして未練がましくも折に触れては女の事を思ひ出して居るが向うでは……妾は自分の将来を考へなければなりません...
牧野信一 「蚊」
...法螺忠がさっきから折に触れてはこちらの顔を憎々しそうに盗み見るのは...
牧野信一 「鬼涙村」
...折に触れては細々(こまごま)と遠大な希望を述べて両親や妻に書き送り...
牧野信一 「サクラの花びら」
...折に触れては大悟徹底の姿をとつた役者のやうに唸つたり...
牧野信一 「風流旅行」
...折に触れてとりあげ...
牧野信一 「浪曼的月評」
...未だにそれは折に触れては思ひ出すのである...
牧野信一 「浪曼的時評」
...折に触れては道中にて人々の失錯ありしことどもを告げて打笑ひ玉ひき...
森鴎外 「舞姫」
...折に触れては道中にて人々の失錯(しっさく)ありしことどもを告げて打ち笑いたまいき...
森鴎外 「舞姫」
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