...その時々の過ぎ行く影を投げるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それらに対して途方に暮れた倦怠(けんたい)の視線を投げるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...ひとすじの炎は、彼の顔の上に青ざめた影を、ゆらゆら投げる...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...」女はコツプを投げるやうに置いて...
田中貢太郎 「蟇の血」
...どんな事が?……」「身を投げるとか――悪者共に襲われるとか――」「それがわかって居ながら...
野村胡堂 「悪人の娘」
...口惜しまぎれに身でも投げるつもりで飛び出した――といふところまでは間違ひあるまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(七五郎の落した長脇差を投げる)喜八 (垣の外で身をかがむ)わッ...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...喜んで持たせた奴等にぶち投げるだろう...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...拒絶されたこの双手を投げるのだ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...「投げるからうけとつて御覧…… Those young flowerets there, shall form a braid for thy sunny hair; I yet will save one, if but one, soft smile reward me when it is done.」三纜綱が解かれると舟はゆる/\と降りはじめた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...これを投げるのは今だらうと思つて...
宮原晃一郎 「豆小僧の冒険」
...ひと目投げると対手(あいて)の足さきから頭のさきまで見とどける周到な働きと迅速な解剖的視覚をもっているのであった...
室生犀星 「幻影の都市」
...僕が投げる」岡田は不精らしく石を拾った...
森鴎外 「雁」
...自然に自己を投げるとは...
柳宗悦 「工藝の道」
...よく路(みち)を行く人に泥苗(どろなえ)などを投げる悪戯(いたずら)をした...
柳田国男 「木綿以前の事」
...ポイと上へ投げる...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...裏の座敷で物を投げる音がし...
山本周五郎 「へちまの木」
...けだもの囃子」石を投げるもの...
吉川英治 「新書太閤記」
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