...と手探りでにじり書(がき)した遺書(かきおき)を残してな...
泉鏡花 「歌行燈」
...その闇の中を、手探りで、二人の洋服男が影のように忍んで行く有様は、若し第三者が見たならば、探偵どころか、恐るべき夜盗の類と早合点したことであろう...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...靴を脱いで、板の間に上り、手探りで、博士のあとについて行くと、博士は中の間と覚しき部屋で立止り、林助手の肩を押えて坐れという合図をして、自分も、その暗闇の中に胡坐をかいた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...どちらが高いでしょう」私は手探りで...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...ますます驚いて手探りに行灯に灯を点けて見ると...
田中貢太郎 「魔王物語」
...彼は怪しく織りこまれたその糸口を手探りはじめた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...暗夜の中を手探りで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...母の方へ手探りに匐い寄って...
豊島与志雄 「変な男」
...魂は手探りに魂をさがしそれを見いだす...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...手探りに階段を上がってゆき...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あたかも見えない中を手探りして地下の闇(やみ)の脈の中に没してゆく夜の生物のようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...手探りで火打箱を見付け...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僕は手探りで箸を探す...
原民喜 「魔のひととき」
...またも手探りで中庭に向っている廊下の途中にある小さな切戸(きりど)の処へ来ると...
夢野久作 「継子」
...また手探りのまま黙って浴衣(ゆかた)を一枚手渡した...
横光利一 「上海」
...心覚えの所へ手探りをのばしかけますと...
吉川英治 「江戸三国志」
...盲阿弥は手探りで...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...途中で女中がころんで灯を消したため手探りで辿り着いて替る替るぬるい湯に入りながら辛うじて身体を温める事が出来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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