...手の平で素早く口のあたりを拭うと...
海野十三 「深夜の市長」
...手の平(ひら)の大きさぐらい焼けこげたところで消しとめた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...むかしは土手の平松(ひらまつ)とか云つた料理屋の跡を...
永井荷風 「里の今昔」
...彼のさし伸ばした手の平に入れてやるだけの餘裕をやつと持つことができた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...八つ手の葉つぱのやうな手の平を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宮部はタルクパウダーを思ひきり沢山手の平にあけて...
牧野信一 「明るく・暗く」
...奇声を放つと同時に彼女の頬を両手の平でぴつたりとはさんだ...
牧野信一 「鱗雲」
...自分の延若観は手の平を翻した如く一変したのである...
牧野信一 「松竹座を見て(延若のこと)」
...嘘だと思ふんなら各々手の平に試みて見給へ――良ちやんの口などはたしかに怪しい...
牧野信一 「毒気」
...細君は両手の平をメガホンにして呼んだ...
牧野信一 「籔のほとり」
...土だらけの手の平を草の葉で拭いたり上着の胸で払つたりして...
牧野信一 「山を越えて」
...手の平を耳の後ろに翳した...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...吹けば飛ぶような虫を手の平に乗せて...
水上滝太郎 「果樹」
...手の平をよごすようなことはない...
室生犀星 「生涯の垣根」
...その間じゅう白い魚は悲しそうに男の手の平の上で苦しそうに悶(もだ)えていました...
室生犀星 「不思議な魚」
...花房は暫く擦(す)り合せていた両手の平を...
森鴎外 「カズイスチカ」
...当時の人は身の丈二十ポーム〔一ポームは手の平の幅〕に余ったらしい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いきなり手の平でセルゲイの唇をおさえると...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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