...彼は我知らず足を止めて...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...我知らず何か叫んだぎり...
芥川龍之介 「藪の中」
...呵呀(あなや)、この髪が、と思うに堪えず、我知らず、ハッと起きた...
泉鏡花 「悪獣篇」
...この方は、女房の手にも足にも触りっこなし、傍へ寄ろうともしない澄まし方、納まり方だそうだが、見ていると、むかっとする、離れていても胸が悪い、口をきかれると、虫唾(むしず)が走る、ほほほ、と笑われると、ぐ、ぐ、と我知らず、お時が胸へ嘔上(こみあ)げて、あとで黄色い水を吐く……」「聞いちゃおられん、そ、そいつが我がお京さんを...
泉鏡花 「薄紅梅」
...余り景色が好いので二人は我知らず暫らく佇立(たちどま)って四辺(あたり)を眺めていた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...街を歩いていると我知らず小鳥屋の前に足をとめる...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...あまりな言葉に我知らず応じてしまったのである...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...試験休みか春休みか」と我知らず口に出して言って...
田山花袋 「少女病」
...彼神なりや我知らず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...」恒夫も我知らず立上った...
豊島与志雄 「同胞」
...彼は我知らず耳を欹(そばだ)てた...
豊島与志雄 「野ざらし」
...我知らず涙が出て来た...
豊島与志雄 「理想の女」
...彼は我知らず彼女の家の前まで来ていたのであった...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...もしやお前さんはと我知らず聲をかけるに...
樋口一葉 「十三夜」
...でも我知らずなのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...何處にこの殘骸の不幸な主人はゐたのか? 何處の土地に? 何の保護の下に? 私の眼は我知らず門の傍にある灰色の教會堂の塔の方へ向いて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...或はまたアポリネエルの詩句などを我知らず口吟んでゐるほど氣の輕いときにしろ...
堀辰雄 「水のほとり」
...我知らず追懐に胸をそそられるだろうような場合は...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
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