...慇懃を通じようとしたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その態度は慇懃であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...』と慇懃(いんぎん)に辞退したが聞き入れない...
谷譲次 「踊る地平線」
...ニコヂーム・アレクサンドルィチがおずおずと慇懃な調子でいう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...いやに慇懃(いんぎん)で謙遜(けんそん)な態度を示すけれど...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そうして何の目的で対岸(あちら)へお渡りになるのですか」駒井から慇懃に尋ねられた六尺豊かの壮漢は...
中里介山 「大菩薩峠」
...慇懃(いんぎん)に一同に挨拶(あいさつ)をした上...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...皆様はどうぞ御随意にお引取り下さるように」花房一郎は慇懃に小腰を屈めます...
野村胡堂 「踊る美人像」
...いとも慇懃に小腰を屈めます...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...なんか御用で――」慇懃(いんぎん)な態度はひどく粗朴(そぼく)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...慇懃な人間には、気を許しちやいけないよ‥‥」「親爺はそんな人間だ...
林芙美子 「瀑布」
...やがて慇懃に膝へ手をおろして...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...慇懃に挨拶をした...
久生十蘭 「金狼」
...慇懃なばかりで心の籠らない形式的なものになりました...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...彼は慇懃(いんぎん)に受けて啜(すす)った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...慇懃(いんぎん)に師礼を執(と)ってたずねた...
吉川英治 「上杉謙信」
...慇懃にいはれますと...
吉川英治 「折々の記」
...馬上に慇懃(いんぎん)...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索