...同時にそれほど慕わしい束縛は他にない事を知るのです...
有島武郎 「或る女」
...私は無性に母が慕わしい...
外村繁 「澪標」
...このくらいなら寧(むし)ろ蛮勇の井伊掃部頭(いいかもんのかみ)が慕わしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとも言えず慕わしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...その恋しい昔の活きた証人ほど慕わしいものが世にあろうか...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...私達はそんな最初の日々のような慕わしい気持で...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...わけてもお慕わしい...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...彼を慕わしい人にするものはないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人生行路の蹈始(ふみはじ)め若盛りの時分にはいろいろ面白いこともあッたので,その中で初めて慕わしいと思う人の出来たのは...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...自我に高ぶる者より謙遜(けんそん)な者の方が慕わしいのです...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...そこを特殊に尊くもまた慕わしい神の島と感じて...
柳田国男 「海上の道」
...いっそう慕わしい者...
吉川英治 「剣難女難」
...なぜかお慕わしいのです...
吉川英治 「私本太平記」
...夜が待ち遠い、秘密が慕わしい、抑止(とどめ)ようとかかっても、血は、鉄の鎖(くさり)も断(き)る――...
吉川英治 「親鸞」
...何か慕わしいものがあるように思われた...
吉川英治 「親鸞」
...その慕わしいものの心根(しんこん)をさぐってみると...
吉川英治 「親鸞」
...慕わしい気も起こって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...僕はシモンズ氏によって今少しくこの慕わしい女優の芸術を讃美しようと思う...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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