...長篇「暗夜行路」を一貫するものは実にこの感じ易い道徳的魂の苦痛である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...けれどもこの海戦の前の出来事は感じ易いK中尉の心に未(いま)だにはっきり残っていた...
芥川龍之介 「三つの窓」
...感じ易いものの姿で蒼くたゆたうてゐるさまが...
太宰治 「右大臣実朝」
...物に感じ易い一青年が...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...しずかで感じ易い少年でしたから...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...殊にヴァイオリンが感じ易い人の胸に与える影響からいっても...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...それが氣の弱い、感じ易い、物事に單純過ぎる、人間的な苦悶を知らないお坊ちやん育ちの私だから、もう一圖に醫師の詞に脅かされてしまつたのだ...
南部修太郎 「疑惑」
...錢形平次の感じ易い心にピンと來た第一印象でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...神経質な感じ易い人物にすぎなかった...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...何か感じ易い心がやがて遠くから訪れてくる激変をひそかに描いてはゐた...
原民喜 「火の子供」
...恩義に感じ易い人間だと見えて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...」私は感じ易い彼の虚榮心を甘やかしたくはなかつたけれど...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...多分フェアファックス夫人が何か云つたのか? でなければ召使共の蔭口を聞いたのか? 感じ易いあなたの自尊心が傷(きず)つけられたのでせう?」「いゝえ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...優(やさ)しい感じ易い人だと...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...健康な人もなんらか身体に変調を感じ易い時だったので...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...私は花の香には実に感じ易いから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おっとりしているが感じ易い気性とみえ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...そんな風に感じ易い気持ち――刹那的の軽い...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
便利!手書き漢字入力検索