...それから――遠目(とおめ)にも愛くるしい顔に疑う余地のない頬笑(ほほえ)みを浮かべた? が...
芥川龍之介 「少年」
...幼ない彼は命取らるゝ水とも知らず、地平と等しい水故深いとも知らずに、這入る瞬間までも笑ましき顏、愛くるしい眼に、疑ひも恐れもなかつたらう...
伊藤左千夫 「奈々子」
...愛くるしいのがいた...
太宰治 「あさましきもの」
...愛くるしい女の子があった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...なんという気高そうな愛くるしい少年の顔か...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...永遠に愛くるしい見せ物に甘んじている...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...やっぱり瘠せぎすな愛くるしい人だった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...艶(なま)めかしく愛くるしいところのある娘でした...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...そう言われるとどこかで見たことのあるような、――美しいというよりは、愛くるしい、聡明そうな顔立ちが人を牽付(ひきつ)けます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お銀の優しく愛くるしいのに比(くら)べて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんなところなのですもの、愛くるしいのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...このリスの愛くるしい大きなしっぽと...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...二匹三匹の愛くるしい小猫が...
柳田國男 「どら猫観察記」
...側にいる愛くるしい少年の童髪を撫(な)でて...
吉川英治 「新書太閤記」
...その愛くるしい中にある不敵な眸に会って...
吉川英治 「新書太閤記」
...京都ふうの愛くるしい娘ではありませんでしたか」「よく見ませんでしたが...
吉川英治 「親鸞」
...十四ぐらいな愛くるしい少女(おとめ)で...
吉川英治 「夏虫行燈」
...今のお通の白い笑靨が――あの哀れっぽいような愛くるしいような眸が――体を縛りつけていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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