...こっちを睨んでいる様子は物凄いというも愚かであったが――その恐ろしい顔には見覚えがあった...
海野十三 「地球盗難」
...さは愚かしくなりはてぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...「でもその馬鹿なところがいいんじゃないですか」「それはそうだが……」私は何か愚かしくなって口をつぐんだ...
高見順 「如何なる星の下に」
...そういう意味から言って現代の俳諧に元禄時代(げんろくじだい)のような句ばかり作ろうとするのは愚かなことであろう...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...愚かや、彼ら築きたる長壁脆く弱くして、效なし、さはれ其爲めにわれの力を分つまじ、廣き塹濠容易くもわれの駿馬はとびこさん...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...愚かな涙を流しながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...クリングの愚かさは彼を攻撃的ならしめていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この世の愚かなることどもを選みたまえり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...醜くもあり卑しくもあり愚かでもある少女たちが自分の生活の中で触れ得る唯一の生きた存在なのか? 豊かであるようにと予定したはずの日々が何と乏しく虚(むな)しいことか...
中島敦 「狼疾記」
...殊に愚かなのは園池なんて奴...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...最も愚かな一エピキュール学徒が街角のタバンで見得を切つてゐる騒ぎで...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...愚かな朝の話――或る朝彼は寝ころんで...
牧野信一 「「三田文学」と巌谷夫人」
...敵の卑怯につけ入るようにその愚かさを利用することはゆるされない」などとは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...神の愚かなるところは人よりも賢し(「コリント人への第一の手紙」一の二十五)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...出来を愚かにしてしまいます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...いつもの我儘と愚かな強がりが出て...
山本周五郎 「いさましい話」
...こんな愚かな亡者の患者で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...(佐々木小次郎を相手になさるのは愚かである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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