...惜しげもなく断(ことわ)ってしまうのです...
芥川龍之介 「開化の良人」
...万という金を惜しげもなく散じて...
伊藤左千夫 「去年」
...もしお前の手がゆたかにもっているのならなつめ椰子(やし)の木のように惜しげなくあるがよい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...グラチアがすべての訪問者に惜しげもなく平和の恵みを分かつことや...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...惜しげもなく曝していた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...惜しげもなくはみ出して見せるところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...弟子のためなら智慧でも葡萄酒でも惜しげもなくだしつくしてしまう...
久生十蘭 「黄泉から」
...惜しげもなく脱いできたやうな氣がしてならなかつた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...圓遊の速記を見ると、異人館、ヒンヘット、馬駆(競馬)、奈良の水害、自転車競争、権妻二等親、甘泉、リキュール、フラン毛布、西洋料理と、明治開化の種々相が、皮相ではあるが、南京玉をちりばめたように、惜しげもなく、随所に満ちあふれ、ふりこぼれている、あたかも黙阿弥のざんぎりものの、仕出しのセリフを見るように――...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...名残(なごり)惜しげに立ち去った...
南方熊楠 「十二支考」
...大切な水を惜しげもなくこころよくさし上げますと...
柳田國男 「日本の伝説」
...日に焦けた手足を惜しげもなくさらして...
山本周五郎 「日本婦道記」
...日頃の部下も惜しげなく捨てて逃げた...
吉川英治 「三国志」
...やや残り惜しげに...
吉川英治 「新書太閤記」
...人間の生血が惜しげもなくフリまかれる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...下屋の裡で、髪を上げていた頼朝は、「乳母、もうよい」と、比企の局(つぼね)が、名残り惜しげに、いつまでも梳(な)でつけている櫛(くし)の手の下から、やにわに、癇(かん)を起したように立った...
吉川英治 「源頼朝」
...口惜しげに唇(くち)をひん曲げたまま...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「何ッ」口惜しげに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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