...本当に、惜しい事だ...
太宰治 「正義と微笑」
...ただ惜しいことにそれほどの郷土の誇りもだんだん時勢の圧迫を受けて衰微に向いつつある結果...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...汽船の煤煙で枯れたものとすれば惜しいものである...
近松秋江 「湖光島影」
...然るに北多摩郡でも最(もっと)も東京に近い千歳村の僅か五百五十町歩の畑地(はたち)の中、地味(ちみ)も便利も屈指(くっし)の六十余町歩、即ち畑地の一割強を不毛(ふもう)の寺院墓地にして了うのは、惜しいものだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...恐怖心が湧起した時には彼には惜しい何物もなかった...
長塚節 「太十と其犬」
...惜しい生き証拠を逃がしましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...腐った袢纏(はんてん)の一枚や二枚流したって惜しいとは思わねえ」「ハッハッ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手酌でやらかして寢て了つた――惜しいと思つたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あまりお名残(なごり)が惜しいと存じまして...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...畜生!」「口惜しい!」甚さのかみさんまで汗といっしょにはりついた後(おく)れ毛をかき上げた...
「共同耕作」
...だが惜しい哉(かな)この種の美術館は極めて稀(まれ)で...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それをクロウデルが惜しいことだと思ったのである...
柳田国男 「母の手毬歌」
...それ程に名残り惜しいか...
夢野久作 「名君忠之」
...「惜しいと云いたいのは...
吉川英治 「三国志」
...かえすがえすも惜しいことでした...
吉川英治 「三国志」
...みすみすこの城とともに田土の底へ埋め去るなど……これは何としても惜しい...
吉川英治 「新書太閤記」
...名残(なごり)惜しい」信雄として接待の最善を尽くそうとするつもりである...
吉川英治 「新書太閤記」
...という深い共感を現わし、さらに子罕篇においては、子、顔淵を謂(かた)って曰く、惜しいかな、吾その進むを見たるも、未だその止むを見ざりき...
和辻哲郎 「孔子」
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