...それから幾千人もの人々が逃げ惑うのでございましょう...
芥川龍之介 「疑惑」
...わがはなはだ惑うところなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...まして村鳥のような未荘の男女が慌て惑う有様は...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...わたし達もお手伝いしましょう」そこで二人はしばらく戸惑うようにしていたが...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...自分の考え惑うてきたことが一々手にとるようにハッキリと説明されている...
辻潤 「自分だけの世界」
...自分のうちの何かが渾沌としていて思い惑う時...
豊島与志雄 「夢の図」
...日頃は人をも恐れぬ小禽(ことり)の樹間に逃惑うさまいと興あり...
永井荷風 「夕立」
...避難民らは叫び声を揚げて逃げ惑う...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...どっちを追って好(い)いのやらと戸惑うた万豊が八方に向って夢中で虚空を掴(つか)みながら暴(あば)れ出た...
牧野信一 「鬼涙村」
...一度此方へ帰つて来て――」何かうまい口実は見つからないものかと彼が思ひ惑うてゐるうちに...
牧野信一 「渚」
...だが其れは無秩序な舌、戸惑うた記憶力、紛乱せる思考力を以てである...
松永延造 「職工と微笑」
...男子の惑う所は惟(た)だ色に在り...
南方熊楠 「十二支考」
...何度も思い惑うているところであった...
室生犀星 「荻吹く歌」
...どの役がどの俳優かと思い惑うときのような気分になっているのである...
森鴎外 「寒山拾得」
...惑うこともなく作りまた作る...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そう思い惑うよりも...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...「――これっ、二人とも控えぬか」「はっ……」「他見(わきみ)すな! 道ぐさすな!」「はいっ」「轍(わだち)にかかる石、雑草にひとしいもの、それらに関(かま)うな、惑うな...
吉川英治 「親鸞」
...わっと、総立ちになったのは甲比丹(かぴたん)の三次をはじめ荷抜屋(ぬきや)の誰彼(たれかれ)、脇差(わきざし)を閃(ひらめ)かす者、戸惑う者、かけこんで錆鎗(さびやり)を押(お)っ取る者...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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