...恰も一里も先きに火事があったように悠々閑々と咄していた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...悠々と逃げ去った腕前は...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...悠暢(ゆうちょう)な気の長い女であることはよく知っているので...
近松秋江 「黒髪」
...まんじりともせず悠々(ゆうゆう)と西に落ちて行く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...さて悠々と酒壜の點檢を終えると...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...悠々と府中の宿を西へ一通り歩み抜けて裏へ出ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...玄人(くろうと)の目で見て三千トンは動かぬところ――それが悠々(ゆうゆう)として浦賀海峡の真中...
中里介山 「大菩薩峠」
...その日の晝下がり、後から驅け付けた子分に、藤三郎とお仙を引渡して、二人は悠々と、巣鴨を引揚げる途中だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これはあんまり悠長過ぎはすまいか...
原民喜 「牛を調弄ふ男」
...悠然と煙草を喫いだした...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...朝廷の大新嘗の著しい特徴であるが悠紀が斎忌を意味し...
柳田国男 「海上の道」
...「悠ちゃん」と叫んで...
山本周五郎 「桑の木物語」
...恐れをなして控えていると「ナンダこのくらい」と山人悠々箸を取り...
山本笑月 「明治世相百話」
...長閑(のどか)にもまた悠長な太鼓や鈴の交響楽――お神楽囃子(かぐらばやし)が聞こえます...
吉川英治 「江戸三国志」
...坊主どもは、やれやれと立ち帰ったが、毎日こんな目にあわされては堪らぬとばかり、翌日、各寺とも揃って、魚屋の借金を返したということだ」「なるほど、悠長なお白洲で、江戸の悪党には、ありがたいお奉行様にちげえねえや」由は嘲(わら)って、立小便にでもゆくつもりか、番屋の横へ曲がりかけた...
吉川英治 「大岡越前」
...むしろ南方の新天地に悠々(ゆうゆう)時を待つべきではないかな」と...
吉川英治 「三国志」
...親鸞をかりて相互がこの現代の中で静かに自己探究をしつつしかも悠久な人間の生き道をさがすなどという仕事はいよいよ非常にむずかしい...
吉川英治 「親鸞の水脈」
...三日悠(ゆ)っくりしようという考えじゃないか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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