...彼はその凄(すさま)じい勢を恐れながら...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...思わず博士(はかせ)を楯(たて)に取って恐れながら身をかわさずにはいられなかったろう...
有島武郎 「或る女」
...葉子は恐れながらもどこまでもついて行こうとした...
有島武郎 「或る女」
...あれこそ我が子よと思いながら、上たちはどうしてこんな所にいらっしゃるのですかと尋ねますと、その返事はしないで、あゝ嬉しいこと、今日はお母さまがお亡くなりになって三日目になるものですから、今わたしたちはこゝでお骨を拾っていましたら、ちょうど折よく御僧がお通りになったのです、ほんとうに嬉しゅうございます、恐れながら、お経を遊ばして下さいますなら御利益でございますがと、掻き口説きますので、その時の思いはさらに夢ともうつゝとも、たとえようもありませなんだが、辛(から)くも気を取り直してその幼い者たちをつく/″\と見ますのに、姉は九つ、弟は六つになっていまして、さすがに下の子供には似ず、すがたかたちもいたいけなさまをしております...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...幕府諸藩心服仕(つかまつ)らずては曠代(こうだい)の大業は恐れながら覚束(おぼつか)なく存じ奉り候...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ひそかに想いあらわに恐れながら...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...「恐れながら――」沈黙している一座の中へ...
直木三十五 「南国太平記」
...私怨を争う――」「恐れながら...
直木三十五 「南国太平記」
...「恐れながら――」「何かの」「暫時...
直木三十五 「南国太平記」
...「恐れながら、この丸薬を一粒拝借して、御納戸町の自宅にお帰し下されば、心永く研究を重ね、残る二味を相違なく見つけて参りますが――」道庵は恐る恐るこう言うのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐れながらと龍(たつ)の口(くち)へ訴へ出たところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...盛国 恐れながら...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...私たちは爺に見つかるのを恐れながら...
堀辰雄 「三つの挿話」
...恐れながらと俺が江戸の奉行所へ突走ればどうしなさるんだ?加多 ハハ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...恐れながら母の持つ...
室生犀星 「玉章」
...「恐れながらそれは陛下でございます」と彼は答えた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人にみつかるのを恐れながら暮して来た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...恐れながら即刻」と...
吉川英治 「新書太閤記」
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