...だが思いがけず、彼は発見しました...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...思いがけず竹一(たけいち)と磯吉(いそきち)がつれだってやってきた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...思いがけず混浴である...
外村繁 「澪標」
...思いがけず娘の嗚咽する声が伝わって来た...
外村繁 「澪標」
...思いがけずこの脇差一本で幾頭かの餓えたる犬を斬りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...思いがけず仏事で郷里へ帰ることになり...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...以前はなるほど私も民政党でありました、親父がそうであったからです、選挙などの時分には私も相当民政党のためには働きました、尽せるだけは尽して居りますよ、どちらかというと私も政治気違いであったし、党のためにも少なからぬ私財も投じて来ました、ところが、私が十四五年前にこの事業を思い立った時にも、民政党の人達は一向援助してくれる風もなく、口では親切そうに云いながら、実際の助力は誰一人してくれなかった、私は独力でこの事業を守らねばならなかった、苦心の甲斐もなく、その後、私がこの事業に失敗を重ねた時にも、ただの一人も声をかけてくれる者もなかった、それでも選挙などには随分政党のために尽したものです、トラックが抵当に何度もなった時にでも、民政党の人達は誰一人金を貸してくれる人もなかった、それでも、私はこの五月の選挙には、友田さんから、村の票や、漁業組合の票を買収してくれるように頼まれた時にも、随分と危ない橋を渡って買収や訪問をして歩いたものです、町の方に出て来れば私を馬鹿扱いにし、屑のように皆云いますが、これでも田舎に帰れば、小森さんと云って少々は人が立ててくれます、何度も巡査(おまわり)さんに捕まえられ、訊問(じんもん)されましたが、その都度うまく云い逃れました、友田さんのためにきわどい芸当も随分とやったものです、大方臭い飯を食うところだったのです、その後、選挙がすんで間もなく、又トラックが無尽会社からの借金のため抵当に取られたので、友田さんのところに頼みに行きました、ところが、一向受附けてくれず、けんもほろろで、五度も六度も足を運びましたが、結局無駄で、しまいには玄関払いをされました、私は途方に暮れ、帰る途中、以前から知り合であった赤瀬さんのところに寄って、保険料の延滞(えんたい)について色々お聞きし、期間のきれた私の保険を復活して貰うように手続を頼み、何気なしに、トラックのことを話したのです、赤瀬さんはお留守でしたが、奥さんが非常に同情して下さって、思いがけず、お金を融通して下さったのです、その後も色々と世話になり、赤瀬さんは全く私の事業にとっては大恩人なのです、一体この町で、政友会とか民政党とか云っても、誰も、その党の政党の政策がどうのこうのということは知りもせず、聞いてもわからない人が多いのです、それにもかかわらず、その政党に属して居るということは、自分の生活や商売にとって利益があればこそ、入っているだけのことです、私は政友会の政策がどんなものか、民政党がどんなものか、なんにも知らない、市会議員に出て居る人達だって本当に知っているものはあんまりないと思う...
火野葦平 「糞尿譚」
...浄海 これは思いがけずの下向...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...それは思いがけず頭の君のだった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...思いがけずある大胆な即興の意匠で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...貧しいそいで居て働く事のきらいな眠った様なその村の単調な生活に少しあきて来かかった十日目の夜思いがけず東京から妹が悪いと云う電報を得た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...実に思いがけずお千代ちゃんは試験に通らなかった...
宮本百合子 「毛の指環」
...思いがけず今年の暮はいいものが出来ました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...思いがけずバイエルのがあって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それできのうは思いがけず愉しき動顛をいたしました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...思いがけず源氏の君を婿に見る日が来たのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...母の話が出たので紀久子は思いがけずそれに気付いた...
矢田津世子 「父」
...その札が今でも思いがけず...
柳田国男 「母の手毬歌」
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