...念の為に名をきいて見ると...
芥川龍之介 「河童」
...念の為にもう一度繰り返せば...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...しかし、念の為めに、門前に見張りをしている刑事に、よく訊ねて見ましょう...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...(念の為に申し添えるが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...なお念の為に、履物(はきもの)を調べさせて見たけれど、雪子のは勿論、婆さんの履物も、一足もなくなっていないことが分った...
江戸川乱歩 「鬼」
...「変だね、誰か念の為に、あの辺を検べて見給え」司法主任が部下の巡査に命じた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...とも角も、三谷のいった怪屋を検(しら)べて見ることにして、一人の巡査を、念の為に、塀の所へ残して置いて、三谷青年を先頭に、恒川警部ともう一人の巡査とが迂廻(うかい)して、その家の表口に廻った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...警部は念の為に、懐中電燈をさしつけて、古井戸の底をのぞいて見た...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...念の為めに附記すれば...
大庭武年 「旅客機事件」
...(念の為言つておくが...
薄田泣菫 「茶話」
...日露戦役記念の為とこじつけ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...君は? 念の為にもう一度訊くが...
西尾正 「陳情書」
...念の為(た)め、行人をとらえてその使(つかい)すべき家がそれであることを確めると、彼は勇敢にも、その式幕を潜って表玄関に達した...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...念の為にクラクソンを鳴して進んで丁度その人とすれ違いそうになった時不意に...
浜尾四郎 「彼は誰を殺したか」
...彼の煙突も念の為め十分に掃除せしめられたり...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...記念の為にその跡にさし...
柳田國男 「日本の伝説」
...かれが尾張城から持ち出して来て秘密に仕舞(しま)いこんでおいた「御刑罪(おしおき)ばてれん口書(くちがき)」を念の為に...
吉川英治 「江戸三国志」
...然し、それでもまだ、念の為に、四、五日は黙って見ていた所が、今日も、慥(しか)と顔は見ないが、誰やら、奥の女中のうちで、あの大工小屋の辺にうろついていた者があるという事――のみならず、今、裏庭の木蔭にかくれて、何を書いていたか』『お父さんへ出す手紙です……』女は泣き声で答えているが、おろおろしている上に、まだ年もゆかない小娘なので、新見のきびしい追及に対して、余りにもその云い訳が幼稚であった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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