...ほとんど寝食を忘れるくらいに忙がしい同志を置き去りにして出るのも実に忍びない...
大杉栄 「日本脱出記」
...その儘土に埋(うづ)めるに忍びないからといつて...
薄田泣菫 「茶話」
...びっくりさすに忍びないから...
田中貢太郎 「酒友」
...断るのは忍びないけれども...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...自分は到底お前と別れ別れになっておるに忍びないことを覚(さと)った...
コナン・ドイル 新青年編輯局訳 「臨時急行列車の紛失」
...年を取りつゝある両親の手前どうも己れは忍びない...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...あたりの景色と調和して立去るに忍びないほど心持よく...
永井荷風 「夏の町」
...わたくしが猶躊躇(ちゅうちょ)しているのは心に忍びないところがあったからだ...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...朝から色々のことに使はれて労れてゐるだらう可哀さうなこの指をこの上労するには忍びない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...実に忍びないからだ」「いや...
広津柳浪 「今戸心中」
...果ては聞くに忍びない卑猥な科白で落花狼藉のさまなど展開して...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...この所の記事は実に読むに忍びない...
ジユウル・クラルテエ Jules Clarete 森林太郎訳 「猿」
...かくまで明(あきらか)に見ることの出来る事実を湮滅(いんめつ)せしむるには忍びない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...独(ひと)り岡山に留(とゞ)まるに忍びないから...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...じつはこの本が偽書であろうと推定しつつもそう断定するに忍びない気持がする...
柳田国男 「故郷七十年」
...このままお別れするには忍びない気持です...
山本周五郎 「陽気な客」
...最早貞操一点張りを以て女を責めるに忍びないはずである...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...忍びない情を心の底にもっていたにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
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