...そしてあなたは……貞(さあ)ちゃんも古藤さんの所に行ってお相手をしておいで……」「僕(ぼく)は倉地さんにあって来ます」突然後ろ向きの古藤は畳に片手をついて肩越しに向き返りながらこういった...
有島武郎 「或る女」
...廻転椅子がくるりと後ろ向きになっているところを見ると...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「恐怖の幻兵団員」
...清三は後ろ向きになった母親の小さい丸髷(まるまげ)にこのごろ白髪(しらが)の多くなったのを見て...
田山花袋 「田舎教師」
...」腑に落ちた様子で――何が腑に落ちたのか?――晴れやかな笑みをもらして、後ろ向きに、また彼の膝にとび乗って、伸びをしたものだ...
豊島与志雄 「女客一週間」
...私は本当に怒るよ」「ヘエヘエこんな工合(ぐあい)に?」茂七は神妙に後ろ向きになりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後ろ向きになっているところをやられたはずだから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後ろ向きになつて入つて來た足跡ですよ」「何んだと?」寺本金之丞はきつとなりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お才さんは窓に後ろ向きに凭(もた)れて居た筈だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...知覚に継続した存在を帰することにおける誤りを認める方へと我々の歩みを後ろ向きに導く...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...葉っぱに半身を隠し、両手を首の後ろに回し、後ろ向きに座り、十二歩離れた距離から、六本の瓶を、髪の毛一本動かさず、粉々にしまんねん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...橋のたもとに後ろ向きで...
牧野信一 「公園へ行く道」
...その蹄後ろ向きになりいるので判る...
南方熊楠 「十二支考」
...熊野詣りの亡者あるいは逆立ち後ろ向き...
南方熊楠 「十二支考」
...彼は後ろ向きであった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...波路は後ろ向きに坐って...
吉川英治 「私本太平記」
...「どうです、とっくりお目に入りましたかね」依然、後ろ向きのまま、楊雄は薄ら黄ばンだ特有な皮膚に嘲侮(ちょうぶ)の笑みをたたえて見せた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その肩の上から後ろ向きになって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お通さん、まだ眠らないのか」眠りつけないらしく、後ろ向きのまま、城太郎はそういって、薄い寝具を、顔まで引っかぶった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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