...平原地を通りぬけて再びあの深林中の小径に来た時、突如私の前に現われたのは一匹の面構え野蛮にして狼のような犬で、噛みつかんばかりの勢で吠え立てたが、路が狭くて通りこすことが出来ないものだから、後ずさりをした...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...相手もさすがに一時は後ずさりしたが...
上田広 「指導物語」
...春琴の師匠春松検校の教授法もつとに厳格をもって聞えていたことは前述のごとくややもすれば怒罵(どば)が飛び手が伸びた教える方も盲人なら教わる方も盲人の場合が多かったので師匠に叱(しか)られたり打たれたりする度に少しずつ後ずさりをし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...得意の横歩きでもって後ずさりした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...あいつらに会ったら後ずさりするよ...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...大ぜいの前で……!」アリョーシャは扉のほうへ後ずさりした...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そーっと後ずさりをして人混(ひとごみ)に紛(まぎ)れて扉の側(わき)からこの席を抜け出でようとすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...後ずさりに格子(こうし)の外へ飛出してしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...郵便局長も後ずさりをしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...魂消て後ずさりをしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...こちらへ背を向けて後ずさりをしながら子供たちが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...ヘルマンは思わず後ずさりするはずみに...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...彼は後ずさりしてマスクをはずし...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...心底驚いて後ずさりした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...一瞬後ずさりして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...洋服 (すがり付いて来る手を振りほどいて、後ずさりして、呆れて見廻してから)……何がどうしたでが? さうガヤガヤと――...
三好十郎 「妻恋行」
...森はひょろひょろと蹌踉(よろめ)きながら後ずさりし...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...大伯父は馬を下り、手綱を引いて隙間を通り抜けようとしたのですが、馬は後ずさりし、鼻を鳴らし、ブルブル震えて痙攣しはじめたのです...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??