...往々にして妥協したい情熱である...
太宰治 「かすかな声」
...それ等の出版物の中から往々にして我々の見逃すことの出來ない記事を發見することがある...
橘樸 「支那を識るの途」
...往々にして私の眼の前にある...
田山録弥 「大阪で」
...発展は往々にして分出説的・演繹的概念として利用され慣される傾きを有つ...
戸坂潤 「科学方法論」
...自然科学者は往々にして一般に哲学と呼ばれるものに対して極めて無頓着である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...之が往々にして哲学という一つの学問の全体的方法であるかのように取られている場合が少なくないので...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...――かくてヒューマニズムは今日往々にして人間学の変貌としての実質を受け取る(例...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...往々にして単なる社会層の問題として捉えようとする傾向である...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...往々にして、リュックを背負った旅人やバスに出逢うと、実に思いがけない感じで、はっとさせられた...
豊島与志雄 「山吹の花」
...人が光輝をのみ見ていたところに陰影を投ぐることが往々にしてある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...往々にして、劇作家は、自分の中に、無限に分裂した自己をもっていて、小説にまとめるには余りにも多くの自分をもっていて、それは劇の姿をもって、彼自身の無限の距離感を表現するとも云える...
中井正一 「生きている空間」
...巴里の大學では往々にして學生と教師との間に學理の爭論が起ると其れを賛否する書生の黨派が示威運動の行列をする...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...費用のないところから即位式をも往々にして省略されたのは...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...往々にして思わぬことになりますからね...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...または漢学風の疎大に失する人は往々にしてこの種の趣味を解せざる者あり...
正岡子規 「俳諧大要」
...じっさいの現場にさらしたばあいに往々にして感情はそれをうらぎると言ってもよい...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...八 今も少年の往々にして神に隠さるること先頃(さきごろ)も六つとかになる女の児が...
柳田国男 「山の人生」
...死を視(み)ることは生も変りがあるものか)などと自負している生修行(なましゅぎょう)こそ却って往々にして...
吉川英治 「新書太閤記」
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