...二見の弱々しく澄んだ眼にも...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...薬の反動か弱々しくぼろぼろの体(てい)で...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...ちょっと断っておくが、僕はまるで赤ん坊のように、こういうことを信じてるんだよ――いつかはこの苦しみも癒(い)えて跡形もなくなり、人間的予盾のいまいましい喜劇も、哀れな蜃気楼(しんきろう)として、弱々しく、まるで原子のように微細な人間のユウクリッド的知能のいとうべき造りごととして消え失せ、ついには世界の終局において、永久的調和の刹那(せつな)において、なんともたとえようのない高貴な現象があらわれて、それがすべての人々の胸に満ちわたり、すべての人々の憤懣(ふんまん)を柔らげ、すべての人の悪行や、彼らによって流された血を贖(あがな)って、人間界に引き起こしたいっさいのことを単に許すばかりでなく、進んでそれを弁護するというんだ――まあ、すべてがそのとおりになるとしてもだね、それでも僕はこれを許容することができないんだ、いや許容しようとは思わないんだ! たとい平行線が一致して、それを自分の眼で見たとしても、自分で見て、『一致した』と言ったとしても、やはり許容しないよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...全体が弱々しくまた同時に恐ろしい生物で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それが一体見えなかったのか?」今でも覚えていますが、わたしがピアノの傍へ寄ったとき、妻は真赤になった顔から汗を拭きながら、弱々しく、憐れっぽい、幸福げな微笑を浮べました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...弱々しくて愛嬌のある幾松は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その手は弱々しく彼から逃がれようとした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...はるかに高いところにいるので弱々しく...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...舌病(ぜつびやう)に罹つた雛(ひよ)つ子の翼のやうに弱々しくつて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...拳銃自殺……」老人は弱々しく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...まだお仕事は済まないの?(弱々しく)そんなに...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...柔らかに弱々しくいらっしゃって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...弱々しくて優しいお色でございました...
室生犀星 「あじゃり」
...その目はとろんとして何を見つめるということなく、弱々しく、たよりなくなって見えるのでした...
室生犀星 「寂しき魚」
...――それらの人たちに較べて自分がいかにも力なく弱々しく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あれよりもはるかに姿が弱々しく...
柳田国男 「雪国の春」
...見るからに弱々しく思われた...
吉川英治 「旗岡巡査」
...けれどもそれはあまりに弱々しく...
和辻哲郎 「院展遠望」
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