...倉地の胸に歯を立ててその心臓をかみ破ってしまいたいような狂暴な執念が葉子を底知れぬ悲しみへ誘い込んだ...
有島武郎 「或る女」
...果てしもない空間と底知れぬ暗黒とが現われて...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...青々と底知れぬ空のかなたに...
江戸川乱歩 「影男」
...奥底知れぬ灰色と...
江戸川乱歩 「火星の運河」
...Aは底知れぬ穴の中へおちこんで行った...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...殆ど四時の多くは底知れぬ穏顔の空であった...
鷹野つぎ 「窓」
...底知れぬ軽蔑感が...
太宰治 「水仙」
...無間奈落といふ白い煙のたちこめた底知れぬ深い穴や...
太宰治 「津軽」
...彼は下に目を伏せ底知れぬ考えのうちに沈んで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...幸福栄耀(えいよう)なるパリーの光耀の下に隠れてるその古いみじめなるパリーの底知れぬ洞窟(どうくつ)の深みに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかも底知れぬ下水道...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...底知れぬこんな夜々には眠つてゐるのか...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...カッと見開いた眼は底知れぬ恐怖に翳(かげ)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...底知れぬ悲歎の様を...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...姙つてゐるらしく、懶さうな顔に、底知れぬ不安と、死の近づいてゐる兆を湛へてゐるのであつた...
原民喜 「廃墟から」
...その神さびた森はすべてのものを吸い込んでしまうような底知れぬ静かさだ...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...底知れぬ危機に直面し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...底知れぬ悪党とは...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??