...平たい顏を俯向けて...
石川啄木 「漂泊」
...丸くて平たい、十銭か二十銭の銀貨程の大きさのですわ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...二つの隣り合つた室の仕切り壁のやうになつたそれ/″\の平たい側面をくつつき合はせて多く少く...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...所々に大きな平たい石が露出し...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...机上を見ると小さく平たい紙の外被(がいひ)が乗っている...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...そしてすみの平たい岩の上に大きな竜舌蘭(りゅうぜつらん)の鉢が乗っている...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...平たい柱のようにしつらえてあって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...家の前の大きな平たい墓と...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...しかもその一本一本の末は丸く平たい蛇(へび)の頭となってその裂け目から消えんとしては燃ゆる如き舌を出している...
夏目漱石 「幻影の盾」
...先へは平たい大きな籠(かご)をかける...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...停車場の前に並んでゐる小さい低い赤と青で塗つた平たい馬車と宿屋の前に吊してある無數の雜色の手拭みたいな講中のビラがまづ目についた...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...やがて少し平たい道になると...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...割りに太い低いどつしりと坐つた鼻だ……この平たい鼻に...
野口米次郎 「能楽論」
...バックルのついた爪さきの平たい靴をはいている...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...それに大きな平たいビスケットを二枚...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...果(はた)して児童の悪戯(いたずら)の円い平たい小石ばかりで...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...むかし先代の五平老が愛宕山の谷から酒一升で運ばせたといふ平たい石も一つある...
吉川英治 「折々の記」
...波の寄せている磯まではほんの十間もないほどの僅かに平たい谷間で...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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