...と逃出すがごとく帰りしなに...
泉鏡花 「婦系図」
...するとお前(めえ)その支那人を介抱して送り届けて帰りしなに...
泉鏡花 「海城発電」
...するとお前その支那人(チャン)を介抱して送り届けて帰りしなに...
泉鏡花 「海城発電」
...徳利を持って出た帰りしなに...
伊藤左千夫 「春の潮」
...帰りしなに、丸顔の看護婦さんが、にこにこ笑って、こっそり、もう一回分だけ、薬を手渡してくれた...
太宰治 「俗天使」
...帰りしなにふいと...
太宰治 「花吹雪」
...帰りしなに固パンのところに立寄って...
太宰治 「パンドラの匣」
...妙子は、とうとう逃げ廻って最後の日まで本家へ顔を出さずにいて、漸(ようや)く出立の間際(まぎわ)に駅頭へ駈(か)けつけ、混雑に紛れて義兄にも姉にも簡単な挨拶をしただけであったが、帰りしなに、プラットフォームから改札口へ歩いて行く途中で、「えらい失礼ですけど、あんさん蒔岡はんの娘(とう)ちゃんでっか」と、うしろから呼びかけられて、振り返って見ると、それは舞の名手として有名な新町のお栄と云う老妓であった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...で、ようよう二時過ぎに順番が廻って来、雪子から先にやらせて、幸子が済んだのは四時五十分頃であったが、帰りしなに、蒔岡さんと云うお方にお電話でございます、と云われて出て見ると、中姉(なかあん)ちゃん、まだかいな、もう五時になるやないの、と、妙子がさすがに気を揉(も)んでホテルから懸けて来たのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それが事務所の帰りしな...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...と帰りしなに産婆が云ったその熟睡を...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...ベッキイは帰りしなに振り返って...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...緋(ひ)の板〆縮緬(いたじめぢりめん)に鶯(うぐいす)色の繻子(しゅす)の昼夜帯(はらあわせ)を、ぬき衣紋(えもん)の背中にお太鼓に結んで、反(そ)った唐人髷(とうじんまげ)に結ってきたが、帰りしなには、差櫛(くし)や珊瑚珠(たま)のついた鼈甲(べっこう)の簪を懐紙につつんで帯の間へ大事そうにしまいこみ、褄(つま)さきを帯止めにはさんで、お尻(しり)をはしょった...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...帰りしなに乗合い自動車はもうないだろうかとききました...
林芙美子 「蛙」
...あとで八百屋に聞くと、十二文という大根を姫言葉でまくしたてて二文負けさせ、帰りしなに、棚にあるオロヌキを、ひょいと一とつまみ取って帰ったということである...
久生十蘭 「奥の海」
...そうして帰りしなに皆さんで私どもへお立寄りになって行きましたが...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...帰りしなに、正成から、或ることづてをうけていた正季は、城内へはいるとすぐ、妹の卯木(うつぎ)の良人、服部治郎左衛門元成を、武者溜りからよびだして、「なにかは知らぬが、兄上がお待ちしておいでになる...
吉川英治 「私本太平記」
...私は父と家へ帰りしな...
若松賤子 「黄金機会」
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