...また幾らかずつ各の部屋の陰翳が異なった色調を帯びるのである...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...按(あん)ずるに春琴の稽古振りが鞭撻の域(いき)を通り越(こ)して往々意地の悪い折檻(せっかん)に発展し嗜虐(しぎゃく)的色彩(しきさい)をまで帯びるに至ったのは幾分か名人意識も手伝っていたのであろうすなわちそれを世間も許し門弟も覚悟していたのでそうすればするほど名人になったような気がし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...その責を帯びる長官にとっては...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...商人が銅臭を帯びるというのがすなわちこのことなのである...
中井正一 「美学入門」
...身に帯びるそれも極(ご)く軽い細身(ほそみ)の大小より外(ほか)には物の役に立つべき武器とては一ツもなく...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...稍(やゝ)特殊的傾向を帯びる丈に複雑であつた...
夏目漱石 「それから」
...人道式なる此(この)観念のために本来の「力」といふ考へがつい曲げられて不徳不仁(ふとくふじん)の属性を帯びるやうになつてしまつた...
夏目漱石 「点頭録」
...自然ナチュラリスチックの傾向を帯びるべく余儀なくされるのである...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...身に寸鉄も帯びることを許されなかったのです...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...日本の封建領主は幕府も藩主も関税の利益を壟断(ろうだん)するかあるいは自ら貿易企業者の資格を帯びることによって利益した...
服部之総 「尊攘戦略史」
...問題全体は異った色を帯びるであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ふたたび安全で自明な幸福の表情を帯びるだろうということは確かだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...今の占いが真実性を帯びるまではだれにも秘密にしておけ」とその男に言ったのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かすかな震えを帯びるほど或る恐怖に似た不安と憂慮を交えていた...
室生犀星 「みずうみ」
...* 一四六九年ルイ十一世が制定した騎士団員の帯びる首飾勲章...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが善悪いずれの色を帯びるかは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...やはり従来苗字を用い大小を帯びる身分であったものの子孫が...
柳田国男 「家の話」
...身に寸鉄を帯びるでもなく...
吉川英治 「新・水滸伝」
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