...僕の自己嫌惡には未だ女性を罵つてゐる程の空虚がない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...漁山は此所を自己の見せ場だとして...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...然(しか)るにこれを自己にのみ厚しとするは...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...己(おれ)達の銀貨だけは返してくれ...
薄田泣菫 「茶話」
...われ汝らを高うせんために自己(みずから)を卑(ひく)うし...
太宰治 「パウロの混乱」
...己も其処へ往って坐っておると...
田中貢太郎 「放生津物語」
...ひどく惨(みじ)めな敗北的な己(おの)れの姿だった――そんなとき彼は...
徳永直 「冬枯れ」
...一体馬鹿奴が途方もない己惚(うぬぼれ)を出したものだ...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...これ等の願望嗜欲を遂行するのを自己の目的として存在していた...
夏目漱石 「それから」
...「どんな目に逢わされるか分りゃしない」彼の心には未来における自己の安全という懸念が充分に働らいた...
夏目漱石 「道草」
...たいして歓迎せず自己の館に泊めぬにしても...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...そのように自己を佯(いつわ)ってまで...
堀辰雄 「菜穂子」
...自己の魂をまたたきせざる眼をもって凝視し得た人の前には...
三木清 「人生論ノート」
...生物學の中へ輸入されてそこで多くの實を結ぶものとして自己を證した...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...己(おのれ)をあやぶむことも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その中に己もゐた...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...自己のうごきが、そのまま大きく世のうごきとなるのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...――最もよく己れを知ってくれていたその主君も今はなしと思う彼の心事には...
吉川英治 「新書太閤記」
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