...わが妻と登れば嶮しいとも思いません...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...つまり世界でも嶮しい山だと言うのだよ...
田中英光 「箱根の山」
...そして彼は嶮しい眼つきで...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...頂上近くは少し嶮しい...
豊島与志雄 「自由人」
...どんな嶮しい氷河の上でもできることである...
中谷宇吉郎 「雪の化石2」
...唯嶮しい鋭さが残つてゐた...
北條民雄 「月日」
...中々に嶮しい感じの傾斜であつて...
牧野信一 「心象風景」
...」「ロールツヒ先生が承知なさつたら妾は、あなたの恋人になつても関(かま)ひませんよツ!」と踊子は、嶮しい眼をして、そんなことを憾みがましく云ひ放つた...
牧野信一 「山彦の街」
...ふと女が嶮しい聲で云つた...
正宗白鳥 「雨」
...尚お嶮しい寂しさを感ずる事もあるらしかった...
松永延造 「ラ氏の笛」
...流し元にいたお霜が嶮しい顔をして彼の傍へ寄って来た...
横光利一 「南北」
...何思ったのか二人の方に向って嶮しい顔つきをして降りて来た...
横光利一 「馬車」
...しかし、旅籠(はたご)の手代には、山越えの道や、その他のことを聞いたのみで、さり気なくそこを別れて、「お嬢様、今の話の様子では、あの女もまだ遠くには参っておらぬようでござる」「今日いッぱい、足を早めて行ったならば、追いつけるかも知れないね」「ただ、この嶮しい道を、あなた様のそのお優しい足で歩かせるかと思うと、久米之丞は負ぶってでも上げたいように思います」「久米之丞...
吉川英治 「江戸三国志」
...たとえ甲武信(こぶし)のような嶮しい所でも怯(ひる)みはせぬが...
吉川英治 「江戸三国志」
...そしてまた嶮しい山坂を登りつめて行くのである...
吉川英治 「私本太平記」
...彼もかくまで嶮しい所と考えていなかったかもしれない...
吉川英治 「源頼朝」
...最も嶮しい道である...
若山牧水 「樹木とその葉」
...其処からは両方に嶮しい山の切り立った狭い狭い峡間の底を渓に沿うてゆくのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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