...目の前に嶮しい坂が幾つも幾つも見えるやうな目付をした...
石川啄木 「道」
...嶮しい山路を夢中で辿って行く瑠璃光には...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...水に穿(うが)たれて穴ぼこだらけの嶮しい岩岸がすっかり照らし出されて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...たゞその余光が嶮しい連山の頂(いたゞき)を...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...細い嶮しい崖径を通る時...
中村地平 「霧の蕃社」
...直後直ちに兇蕃は嶮しい断崖をよじのぼり...
中村地平 「霧の蕃社」
...スケッチ正面に嶮しい坂...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...これは冗談だとしても」加十は嶮しい小径を下って崖下の空地まで辿りつく...
久生十蘭 「魔都」
...嶮しい眼つきをなすつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...梯子段が嶮しい山へ登る径のやうにミヅグルマの背後を縫つて稲妻型に折れ曲つてゐるのだ...
牧野信一 「沼辺より」
...見事に径が嶮しいのである...
牧野信一 「三田に来て」
...」「ロールツヒ先生が承知なさつたら妾は、あなたの恋人になつても関(かま)ひませんよツ!」と踊子は、嶮しい眼をして、そんなことを憾みがましく云ひ放つた...
牧野信一 「山彦の街」
...Iは蛾を握つたまま暫く彼の嶮しい顏を眺めてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...そしてまた嶮しい山坂を登りつめて行くのである...
吉川英治 「私本太平記」
...坂本から案外に嶮しい坂に驚きながらも久しぶりにさうした山の中に寢起きする事を樂しみながら...
若山牧水 「比叡山」
...今までよりは嶮しい野路の登りとなつてゐた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...とりどりに紅葉した雑木林の山を一里半ほども降って来ると急に嶮しい坂に出会った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...手放しでは降りることも出来ぬ嶮しい崖の岩坂路を幾度か折れ曲って辛うじて川原へ出た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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