...」――天に近い山の上にクリストの彼に先立つた「大いなる死者たち」と話をしたのは実に彼の日記にだけそつと残したいと思ふことだつた...
芥川龍之介 「西方の人」
...アルパン連山の上には一二片の白雲が漂つてゐた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...間もなく、この山の上に、ターネフ邸の怪爆発事件の報告がされた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に毎日出てゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...松の木山に銃声がいくつもとどろいた山の上に赤い旗がうごかない雲を待っている銃声が止むと ごとんごとんと六段返しみたいに的(まと)が回転するおれの弾(たま)は調子づいたとみえて うつたびに景気のいい旗が上ったおれの眼玉は白雲ばかり見ていた...
竹内浩三 「射撃について」
...駅から右手の緑の小山の上に新しい家が一軒立つてゐる...
太宰治 「津軽」
...この山の上に庵(あん)を結(むす)んでおりますよ」僧は起(た)って菅笠(すげがさ)を頭(かしら)に載せていた...
田中貢太郎 「竈の中の顔」
...土砂の山の上に仮のフォームを設け...
谷崎潤一郎 「細雪」
...髮を棕櫚箒のやうにした山の上(かみ)さんが...
田山花袋 「日光」
...清澄な山の上の風は心地よく汗ばんだ肌をさら/\と吹いていつた...
近松秋江 「箱根の山々」
...自分はこの不毛な岩山の上で果てつつあるのだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...もしやこの山の上か...
中里介山 「大菩薩峠」
...山の上は今でも大体に於いて方形である...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...みんなもうあの山の上ばかり見ていたのです...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...まだかと呼び続けるようなその声は山の上からもして来たようだ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...山の上の崩れた石垣の間に茂った羊歯や芒など...
横光利一 「旅愁」
...叡山の上は俄に寂寞(せきばく)な冬を来たし...
吉川英治 「私本太平記」
...星が出てますよ」「そうか」「このお山の上に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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